沖縄はシロアリが活動しやすい環境!木造だけが危険は間違い
沖縄でシロアリ被害が多い理由は『シロアリにとって好条件な環境だから』
もちろん、沖縄の地域性を考えた家造りはされるのですが、それがシロアリ対策になるかというとそういうわけではありません。
高低差を考えた石垣や湿度を考えた風通しの良さ。
台風や浸水を考えた高床構造。
素敵な庭や縁側など。
家を建てる場所や希望によっても変わりますが、伝統や気候に合った家造りが特徴になっています。
木造住宅や木や木製のものが多いというのも理由として考えられるのですが、好まれると分かっていた最初から対策されることも多いです。
木造住宅でも侵入しにくい環境・シロアリが好まない家を作って予防すれば、シロアリに悩まされない可能性が高くなります。
もちろんこれは「可能性が高い」だけであって、シロアリ被害に遭わないわけではないので、定期的な予防は必須です。
全国で考えれば沖縄は好条件なのでシロアリ被害が多い地域なのは確かです。
沖縄とシロアリの特性を知ったうえで対策をしていく必要があります。
沖縄の気候や気温はシロアリが年中活動できる
日本でも北と南では全然違い、木や魚、虫などはその地域でしか見られないものもあります。
沖縄は亜熱帯海洋性気候で高温多湿、温暖で雪も降りません。
那覇市の1年の気温は23度ほどで、夏は本土と違い猛暑日になることも少なく、冬は暖かく過ごしやすいです。
また、湿度が真夏や冬でも平均70%ほどなので、かなり湿度が高いのが分かります。
この気候や湿度こそが『沖縄でシロアリが年中活動できる理由』なのです。
そもそもシロアリは基本的に気温が低くなっても冬眠することはありません。
シロアリは昆虫ですが休眠状態はないです。
アリやミツバチと同じく「社会性昆虫」で、みんなで生活をしながら役割分担をして生活します。
産卵する女王の他に、巣を作ったりエサを探す労働者やこれらの集団(コロニー)
を守ったりと、それぞれが協力しあいます。
ただ、どんな状態でも大丈夫というわけではなく、実は寒くなれば生きていくことが難しくなるので木材の中や地下に入り込むのです。
つまり、冬眠や休眠をしないのではなく暖かいところに入って活動しているということ。
そしてこの活動ラインは約6度。
沖縄の最低気温は地域によっても変わりますが、冬でも10度以下になることがないのでシロアリは年中活動できてしまうのです。
女王シロアリは長寿で、数十年生きることもあります。
定期的に大量の卵を産みますが、1日に数十から数千の卵を産むと考えれば、コロニー内のシロアリが増えるスピードはかなり速いです。
ただ、成虫期間も数日から数週間と言われていて、この期間に交尾や巣を作り、雌は女王になります。
孵化する期間も短いので、どんどん産卵し孵化して成虫がどんどん木材を食べていきます。
沖縄は寒さによる影響がないため、庭にあるデッキや縁側などの木製のものもシロアリにとって快適で暮らしやすい環境になります。
種類にもよりますが、シロアリの生態や沖縄の気候を考えれば、年中活動しているから被害が多いのも納得です。
家はコンクリートだから大丈夫!なわけではない
木造住宅にシロアリ被害が多いならRCにすれば大丈夫!
というわけではありません。
心配があると予防対策が最初からしっかりされますが、大丈夫と安易に思っていると被害に遭いやすいのです。
コンクリート、RCならシロアリは食べないと思っているかもしれませんが、コンクリートも攻撃できてしまうシロアリもいます。
家の中を見渡してみてください。
シロアリが好きな木や段ボールはありませんか?
家具やフローリング、ドアや畳、内装に木は使われていませんか?
押し入れやクローゼットはどうでしょう。
押し入れの中に段ボールはしまっていませんか?
知らず知らずのうちにシロアリが好む環境を作っていると、活動しやすい沖縄ではとんでもない被害に遭ってしまうことがあるのです。
また、木材と接していたり、コンクリートがひび割れているのも要注意!
ちょっとしたところからでもシロアリは侵入します。
木造住宅は一般的にシロアリ対策が行われます。
まずは保護や侵入しにくくする予防から始めます。
そしてさらにシロアリ対策を行った後も定期的に点検をします。
プロが確認するので、普段見えない場所までしっかりチェックすることで被害を防ぐことが出来ます。
それに対してRCだからと安心していると、知らない間に侵入されてしまうことがあります。
残念ですが蟻道(ぎどう)がコンクリートに見つかることも。
怖いのがシロアリ対策をしてなければ定期点検もない。
RCだから大丈夫!と安心していたら、ある日羽アリやシロアリを見つけた。
念のために専門業者に相談したらかなりの数になっていたなんてことも。
もっと最悪なのが、羽アリを見つけたけど少しだから外から入ってきたのかな?
と気にしていなかったら、どんどん増えていく。
相談した頃には家が修復不可能な状態になっているなんてこともあり得ない話ではないのです。
シロアリは人に見えないところで被害を拡大させます。
庭の木や木製のものから不自然な音がしたり、木の粉のようなものが落ちていて気付くこともありますが、気にならないような何気ない小さなヒビからも侵入します。
徹底した大掃除や何かを移動させることがなく、普通に生活していたら点検をしなければ気付かないことも多いのです。
また、湿気の多いところと思いがちですが、最近では乾燥を好むシロアリもいます。
自分で確認しているつもりでも発生場所が違えば、当然気付くのも遅くなります。
コンクリート、RCだとしても関係ありません。
むしろ気にしていない人は気にしてください。
近所でシロアリ被害の話を聞いたら、自分の家も疑ってください。
輸入材木や家具についてくることもあるので、どんな家でも安心して住める環境を作る必要があるのです。
専門家に相談して点検をするまでは「安心」とは言えません。
住宅構造でシロアリ被害を防げることも
これから家を建てるなら徹底したシロアリ対策ができますが、今ある家やシロアリ被害に遭った家でもこれからの被害を防ぐことはできます。
今までにシロアリ被害に遭ったことがある家というのは「シロアリが侵入できる」ということです。
そのため、駆除をしてもらったとしても同じ環境であれば、またいつか被害に遭う可能性が高くなってしまいます。
特に沖縄はシロアリが年中活動できるので、一度被害に遭ったら他は大丈夫かをきちんと確認してもらい、早急な対応が必要です。
今後シロアリが侵入しないようにする対策をすればお金はかかります。
でも、そのままにしていたら駆除をまたしなければいけないので、結局お金がかかります。
リフォームで済まずに、最悪建て直しになるほど最悪な状態もゼロではありません。
柱が被害に遭ってしまえば耐震性も低くなるので、木材自体をシロアリが好まない木材にする。
床下点検口を作ったり、換気ファンを設置したり、大掛かりなリフォームをするならベタ基礎(構造)にしたりとシロアリから家を守る方法はいくつもあります。
もちろん絶対にリフォームが必要なわけではなく、シロアリ駆除や問題箇所の修繕で終わる場合もあります。
予算や希望に合わせて、その場しのぎの対策ではなく今後もシロアリに悩まされないようにする!
そのためにもシロアリのことを熟知しているプロに今の家がどんな状態なのかを確認してもらい、そのうえで最善の方法を選びましょう。