乾燥していても危険!沖縄でシロアリ被害に遭わないために
シロアリは湿気が多いところにいるイメージがありますがこれは間違い。
シロアリにもたくさんの種類がいて、家に被害を与えるのには特徴の違う土壌性シロアリと乾材シロアリがいます。
この土壌性シロアリと乾材シロアリの4つの違いについて説明します。
生息場所
【土壌性シロアリ】
主に湿度の高い地下や土壌中に巣を作ります。
土壌内の木材や有機物で巣を構築します。
【乾材シロアリ】
木材や構造物内に巣を作り、乾燥した環境で生息します。
家具などの中に住んでいると音が聞こえることがあります。
食性
【土壌性シロアリ】
土壌中の有機物や木材を摂取します。
土壌中の腐敗した植物物や動物の残骸(デトリタス)や樹木の根がエサになります。
【乾材シロアリ】
乾燥した木材を特に好みます。
構造物や家具などの乾燥した木材がエサになります。
必要な水分量
【土壌性シロアリ】
土壌中で生息し、水分が比較的豊富なところに存在します。
そのため、必要な水分量は多いです。
【乾材シロアリ】
乾燥した環境に適応しており、比較的低い水分量で生存できます。
少しの水分量で生きていけるので、家具や木材の中で暮らすことができます。
被害の範囲と特徴
【土壌性シロアリ】
巣は地下や土壌中に広がっていて、木材や植物の根などを食害します。
被害は一般的に比較的広範囲にわたりますが、巣の近くから侵食していきます。
湿ったところに住み、乾燥に弱いという特徴があるので駆除するときに見つけやすいかもしれませんが、数が多いので被害が大きくなる可能性があります。
【乾材シロアリ】
乾燥した木材内に巣を作り、内部から食害します。
被害は主に木材の内部に限定されるので、目に見えないところで気付かないうちに被害が広がります。
家具や木材の中というと範囲は狭いイメージがあるかもしれませんが、羽アリは乾燥した木材に住み着くので家全体に巣を増やしていくので厄介で、駆除も難しいです。
シロアリの種類によって違いはありますが、一般的な土壌性シロアリと乾材シロアリはこんな特徴があります。
地域やシロアリが住む環境によっても変わります。
被害を見つけたとしても専門家に相談をして、他にシロアリがいないかをきちんと点検してもらいましょう。
沖縄に乾材シロアリが多い理由
もともと亜熱帯地域に多いのが乾材シロアリの「ダイコクシロアリ」。
奄美とかで発見されることが多かったのですが、最近では「アメリカカンザイシロアリ」も増えてきています。
乾材シロアリは家具や輸入木材の中にいて、そこから家に入りこむことがあります。
沖縄は米軍の軍事施設があるため、アメリカカンザイシロアリは米軍の家具と一緒に入ってきたという話もあります。
ただ、米軍の施設でも建物や木材の定期的な点検や予防、必要に応じたシロアリなどの害虫対策は行われていると考えられます。
とはいえ、被害は基地の近くが多いという情報があるのも正直なところです。
米軍とか関係ないとしても外来種の乾燥シロアリは何かに入って家の中に侵入してきます。
輸入家具以外にも楽器や段ボール、梱包材などネットで購入する機会が増えれば被害も増えます。
さらに沖縄は島なので輸送する機会が多かったり、移住や海外との関係性を考えれば、乾材シロアリの被害が比較的多くなるのです。
現在では沖縄に限らずシロアリ対策として、食害されにくい材木を使ったり、防蟻剤を使ったり、被害に遭いにくい工夫がされるようになってきています。
発見した時には大きな被害になっている可能性が高いからこそ、自分でも持ち込まない事!
家具はシロアリのことを考えて購入して、外から侵入するのも減らしましょう。
【重要】乾材シロアリの怖さ
シロアリの中でも乾材シロアリはとても厄介です。
その理由は3つ!
1.蟻道がない
通常のシロアリは蟻道がありますが、ダイコクシロアリは木材内部に巣を作って生活をします。
木材内部を食害していくので、他のシロアリのように見えるところに蟻道がありません。
そのため、発見するためには穴や裂け目、木くずや糞など、木材やその周辺を確認していく必要があります。
侵入経路が違うので発見が難しく、土壌性シロアリの点検時には見つけることが出来ません。
2.予防ができない
通常のシロアリは駆除した後に予防ができますが、乾材シロアリは点検をして都度駆除していかなくてはいけません。
一番は可能性のある家具や木材は持ち込まない事ですが、それでも羽アリは侵入してきます。
3.分散型
ヤマトシロアリも分散型ですが、それよりも細かい集団になります。
同じ家具でもいくつかの小さな集団があるので、1か所駆除したとしてもそれで終わりでない可能性が高いです。
強大な大きな集団になるイエシロアリに対して分散型のヤマトシロアリ。
この土壌性シロアリに対して、乾材シロアリは小さな個々の集団を作り、生活をしていくので駆除が難しい。
そのうえ、家の中に住み着かれない工夫をしていかないと、長期的に駆除が必要で悩まされることになります。
この乾材シロアリが沖縄でも多く、日本でも被害が広がっています。
家具や木材の中は「食べ物にも困らないし寒さもしのげる」というシロアリにとっては最高に居心地の良い場所になります。
輸入家具や木材を家に持ち込む前に、きちんとした処理がされているかなどを確認したうえで持ち込むように心がけましょう。
また、羽や細かい砂のような木材と同じ色をしたものが落ちていたら、シロアリの可能性があるので早急に専門家に相談してください。
アメリカカンザイシロアリはつがいから始まり、増えるペースが遅いのですが、数年経つと1000、2000…と増えていきます。
複数のコロニーになる前に、できるだけ早く見つけることが重要です。
シロアリの種類で点検場所も変わる
シロアリの種類によっての違いは先ほど説明しましたが、それぞれ住む場所が違います。
そのため、一般的なシロアリ=土壌性シロアリがいる場所をチェックしたとしても、乾材シロアリは見つかりません。
しかも、最悪なことに見つからない→いないと考えてしまうと被害は拡大します。
たまたま飛んできた羽アリだと思っていたら、実はいろいろな家具の中にいることも。
ただ、目に見える箇所であれば確認できますが、家具の中とか見えない場所では見つけることができません。
仮に見つけたとしても乾材シロアリはあちこちに巣を作るので、家全体を確認して徹底駆除する必要があります。
そこだけ何かしても他で元気に巣を作っていたら、また羽アリが飛んで新しい巣が増えるし、自分の家を駆除しても住宅密集地は近所の家や庭から飛んできます。
湿気をなくしてシロアリが住みにくくなったと思っても、これは土壌性シロアリへの対策。
乾材シロアリは乾燥を好むので、住みやすい環境を作ってしまうことがあるのです。
専門家であれば、きちんと種類に合った場所を点検します。
個人では確認が難しい箇所でも、プロは徹底的に確認してくれます。
シロアリが目に見えないとしても、必ず定期点検は受けるようにしてください。
また、その際
- 近所が被害に遭った
- 羽アリを見つけた
- 壁にひびや隙間がある
- 家具の中から音がする
- 砂のようなものが山になっている
など、気になることがあれば必ず伝えましょう。
プロはシロアリの種類や特徴を熟知しているので、可能性がある箇所は点検してくれます。
ネット情報や人づてで聞いた話から点検して、自己判断は絶対にNG!
目に見えての被害が無くても定期的な点検は必要になります。